地域貢献

最近CSRという言葉が大手企業の間で飛び交い始めました。CSRとはCooperate Social Responsibility=企業の社会的責任のことです。昨今の大手企業の不祥事で、企業イメージは大きく傷つきました。利益を優先しすぎるあまり、自分のことしか考えず、結果的に顧客の信頼まで失ってしまったのです。CSRのほかにもSRI(Social Responsibility Investment=社会的責任投資)という言葉も出てきていまして、社会的責任を果たしている企業に投資が集まるというものです。市場の信頼の軸が変わりつつあるということです。

一方で、ISOやISMSのような認証制度が大流行です。こういったマネジメントシステム導入によって会社の風土や社員の意識を変えていきたいというのが経営者の願いであると同時に、自分のところは社会的責任を果たせる企業である、という「バッチ」を手に入れたいということなのだろうと思うのですが、実態はハヤリに乗ってISOを取得したのはいいけれど、持て余している企業の多いこと。株式を公開しているような企業は、もちろん社員数も多いのでマネジメントには多大な労力がかかっているのですが、社員の(もちろん役員も含まれるが)反社会的な行動に対する牽制や予防でもあるわけで、反社会的なことをしなかったら、評価が高まったり、投資が集まったりするわけではないということを肝に銘じておく必要があると思います。

欧米でCSRとして評価されている企業というのはむしろ「積極的な社会貢献」です。欧米では、社会貢献をしない企業は一人前とは認められていません。金銭的な支援のみならず、社員に対してもボランティアの機会づくりに熱心な企業が多いのです。このように企業と社会との関係をもう一度見直そうという動きが着実に広がってきています。それが地域の中での信頼を勝ち取る大きな原動力にもなるのです。

日本の経済団体のトップである日本経団連には、利益の1%を社会貢献に使おうという「1%クラブ」という組織があります。日本の名だたる企業がそのメンバーとして名を連ねています。

なぜ利益最優先の企業という組織が、それとまったく反する社会貢献やボランティアということに取り組み始めたのでしょうか ?  それはこの社会は劣化しつつあるのではないかという危機感です。その劣化に企業も手を貸してきたのは明らかです。社員を社内に囲い込み、社内完結型で過ごさせるような仕組みを企業は作り上げてきました。

そのことによって失ったものも大きかったのではないかと思います。自分の言葉を持たない、自分で考える習性を持たない、そういう社員を多くの企業は育ててきたのではないでしょうか。

そこで社会貢献活動を推進することにより、社員を会社の外に出し、社会の風に当てる機会にできないだろうか。それが会社を変え、社会が変わるきっかけになるのではないかと考えはじめたわけです。組織の中に閉じこもり、その中だけで長年仕事をしていると、本当に大事なことが見えなくなってくるものです。最近多発している一流企業の不祥事も根っこはそこです。

ボランティアを通じて地域とつながることは、企業にとっては社員の育成とバランスの取れた組織作りを意味し、個人にとっては会社人間から脱皮し、自立した社会人になる近道であると感じています。そういった環境を作る努力をしていくことこそが、本当のCSRなのだと思います。

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